2010年12月21日火曜日

畑仕事をさせてください。

※この記事は生活クラブの広報紙に載せていただいたエッセイです。

「畑仕事をさせてください」
山形県遊佐町の農協に飛び込んだのは丁度5年前だった。
急なお願いを暖かく迎え入れてくださったのは三人ほどのお手伝いさんを抱えた大きな農家さん。朝6時半からアスパラを収穫して選別し、パプリカを収穫して、蛇に驚いて、枝豆の苗を植え、イモムシを手で一匹一匹退治して、雑草を抜いていたら、もう夕方だ。

身体はどんどん疲れていくのだけど、心はどこか癒されていくような感覚。
広い畑の中で、太陽を浴び、共に汗を流し、鳥海山を眺め、そこから流れてくる冷たくてきれいな水で顔を洗う。疲れて寝転がってまぶしい日射しを手で隠す。手に着いた土を見て「洗うのが大変だ」と思う。でもなんだか、その土を洗い流すとき今日の畑仕事の充実感に変わる。

一番の楽しみは何と言っても一日3食のおいしいご飯。とれたてのお野菜と、そして、めちゃくちゃおいしいお米。「お米はたくさんある」というお言葉に甘えて何杯もおかわりさせてもらった。畑仕事で痩せていくのかと思いきや、食べ過ぎによりみるみる太っていったのを今もまだ覚えている。

最初は一週間の約束だったがお願いして、結局2週間滞在させてもらった。休みの日には、運動会やオーケストラにも連れて行ってくれた。短い間だったけれど、本当の家族のように接してくれた。地域の人もみんなとっても親切だ。この遊佐の豊かな自然環境が素敵な人や美味しい食べ物を育んでいるのだろうか。