2011年2月13日日曜日

ヒッチハイク 東京 少しでも 運んで下さい【過去日記】

明日は名古屋から伊豆までヒッチします。
無時にたどりつけるか…

2008年のヒッチハイク日記






7月31日から8月2日まで友達と一緒に
大阪に行ってた
現場の先生の実践報告を聞いたり
大阪城行ったり
お好み焼き食って
たくさん飲んで
そんな最高の3日間でした

そんでその帰りはヒッチハイクで帰ろうと決めてた
ゴールは東武東上線のどっか
あとは定期で帰れるからね
どうなるかな
これめっちゃ長くなると思うごめん

8月2日 1日目

背中に
「名古屋 連れてって」
というB5の紙をはって歩き始めた
一歩でも東京に近づこう
次の日も同じ場所ってのはやだ
一週間たっても大阪だったっていうのはやだ
それは避けたい

でも歩くとめっちゃあっつい
俺の住んでる東松山も熊谷より暑いんじゃないかってくらい暑いんだけど
大阪も午後4時で日が傾きはじめてるというのに
暑くて燃えそう
日本ってどこでもこんなに暑いのかな
15分くらい歩いただけで
これやばいんじゃないかと思ってたんだけど
暑くて自然発火しそうになってたけどなんとなく休みながら進んでいくと
だんだん涼しくなってきたし身体も暑さに慣れてきた
人間の身体ってすごいね

そんで午後6時過ぎたくらいでそろそろ夕飯の時間だ
8個で200円のたこ焼き
安いだけあって味はあんまりだけど
やっぱり大阪で食べるとおいしい気がする

夜10時を回ってそろそろ寝床を探さなきゃと思ってたら
寂しそうな駐車場を発見
車が一台も停まってないし
うまい具合に人通りも少なそうなので
そこに決めて
近くの「古本市場」で12時まで待機
やっぱり野宿してる人がいるって住人から見ると不気味で怖いらしくて
10時とかだと見つけた人に通報されたりするからねぇ
明日も5時くらいにこそこそ出発しなくちゃ
雨も降らなさそうだしあんまり目立たないように今日はテントを張らずに就寝

8月3日 2日目 

5時に起きようと思ったのに
6時だった
涼しいうちに歩かねば
とにかく疲れるまで歩こう
歩けなくなったら本気でヒッチハイクに助けてもらおう
ってこのときは思ってたからずんずん歩いていった
だけど道なりにずんずん行ってたら寝屋川市で道間違ったよ
2時間くらいの無駄歩き

旅行とか自転車好きなのに方向音痴ってどうよ
朝飯も食ってなかったからなんかいらいらもしてくる
でもそれを救ってくれたのは
「すき家」の味噌汁朝食セット(大盛無料)280円
安いし満足満腹
食後の休憩もさせてもらってまた元気に歩きはじめる
だけど元気は元気なんだけどなんか歩きに限界を感じてきた
このままだと一週間で滋賀県くらいまでしかいけない
もう余裕こいてないで本気でヒッチハイクに取り掛からないとだ

小さい紙はやめた
ってかちょっと考えるとB5なんて車道から見えるわけがない
こんなもんぶら下げて歩いていたこと自体恥ずかしい
スーパーからダンボールをもらってでっかくアピールすることにした
「ヒッチハイク 東京 少しでも 運んでください」
そのダンボールを背中のリュックにクリップでつけて歩き出した

2時間くらい歩いたころだろうか
大阪の枚方市あたりで
ごっついバイクのグラサンの兄ちゃんが声をかけてくれてまんねん
「これから京都に行くから乗せてこうか?」
うわぁめっちゃありがとうございます
歩いたら京都まで2日かかるなぁとか思ってたとこ
そして何より初めての乗せていただく方です
よろしくおねがいします

よく話すとなんとその方
自称フリーターなんだけど
ハーレーにのってます
883ccだそうです
ここでは「ハーレーさん」と呼ばせていただきます
 ちなみにうちのekワゴンは660ccです
めっちゃおもろいです
 さすが大阪人
 つっこみとかボケとか芸人並みにおもしろい
そしてアホなこともします
 日焼けするために京都の友達に会いに行くそう
そしてめっちゃ人間的にかっこいい
見ず知らずのきったない学生を乗せてくれるなんて
まずそれだけでかっこいい

さてさて後ろに乗せてもらって
京都のハーレーさんの友達の家に着いた
お礼を言って僕がその場を去ろうとすると
ハーレーさんが僕のこれからの予定がないことを聞いて
京都を案内してくれると言ってくださった
ホントですか

ハーレーさんの友達はライブが好きなのでライブさんと呼ばせていただきます
ライブさんは今日京都のお寺でやる特別ライブを見に行くそうです
本当はハーレーさんと行くはずだったのにすいません

とにかく二人ともめっちゃ親切
荷物をおかせてくださったライブさん
昼ごはんにおいしいものを食べさせてあげようといろいろ考えてくださった
そして厳選してもらって最終的に連れて行ってくださったのが
「天使のカフェ」
知ってる人いる?

今京都で一番熱い視線を浴びている
「てんしの光野菜」を食べられるお店
無農薬や有機栽培を超えた次世代の野菜
地下で土を使わずに光と水だけで育てる野菜
残留農薬も心配ないし清潔で虫もいないから洗わないで食べられるという
そして値段はなんと普通の野菜の4倍

「天使のカフェ」はビュッフェ形式になっていて
その「てんしの光野菜」が食べ放題なの
んで食べたらめっちゃうまい
なんつーか苦味全然ないし
繊維っぽくもない
いくらでも食べられる感じだね
ホントにおいしかった
これが次世代の野菜か

そのあと金閣寺に連れて行ってもらって
清水寺いって平安神宮にも連れて行ってもらって
移動は全部ハーレーです
観光客の視線がまぶしい
風と視線をめいいっぱい受けて
めっちゃ気持ち良しですね
本気でバイクもいいなぁって思った

そんで夜は京料理が食べさせてもらえるお店にも連れて行ってもらった
すっげーおいしい
うまいってよりおいしいだね
ダシに品があるし本場の湯葉はまた格別
そしてその後キャバクラに連れて行ってもらった

初めて行ったよキャバクラ
すっごいね
京都弁超最高
「ヒッチハイクしてはるんですかぁ?」
↑多分こんな感じだった
ここにはこれ以上書かないけど
あと詳しく知りたい人は
直接聞いてね

そのあとお茶漬けバー
っていうめっちゃ珍しい店に連れて行って
下さったんだけど生憎のお休みだった

こんな俺の一日を見て
お前そんなに遊ぶ金あるなら
ヒッチハイクなんかしなくても
電車で帰れよって言われそうですが

なんと今日案内してもらったところは
全部ハーレーさんにお金出してもらってしまいました

ハーレーさん
懐のでっかい方です
心もでっかい方です
しかも
考え方もぶっ飛んでいて
めっちゃいろいろなことを考えさせてもらいました
価値観が変わりましたね

一流を知っていれば余裕が出る
一流を体験しろ
過去に興味はない
未来に興味がある
ともおっしゃっていました
確かに立ち振る舞いから人に接する態度まで
常にどこかに余裕を持っている感じ
それだけじゃなくて
めっちゃよく気がつくし
めっちゃ細かい気遣いまでしてもらって
男の俺にこんなに優しいのに女の人に対してはどんだけだろう
オーラがあるというか
なんというかすっごい人やったわ

最後にハーレーさんは
青春18切符を貸してくださった
「もしヒッチハイクでたどり着かなかったら
一回分使わないからこれで帰りな」
精神的に余裕があると人は大胆な行動ができるようになる
この後もこの18切符という後ろ盾があったのとなかったのでは
全く違う旅になっていたと思う

そしてその日はライブさんの家に泊めていただいた
シャワーも借りて携帯の充電もさせていただきました
ありがとうございました

8月4日 3日目

京都からの国道1号は危ないということで
ハーレーさんはお忙しいにもかかわらず
途中琵琶湖も観光させてもらって滋賀県の大津まで送ってくださいました

降ろしてもらったときにハーレーさんから一言
「時計忘れてない?」
忘れ物超得意な俺
やってしまいました
時計をライブさんの家に忘れている
めっちゃ大事な時計なのに
「人間だもの」byみつを
忘れ物もします
後で送ってもらえるそうです
すいません
だけど俺より先に気付くハーレーさんの観察力ってどんだけでしょう

とにかくもう至れり尽くせりの2日間でした
いくらお礼を言っても尽きませんが
ありがとうございました

さてここからまた修行僧のように酷暑の中を歩きます
途中唯一の旅人に会いました
50歳くらいのおじさんかな
2週間かけて東京の日本橋から大津まで歩いてこられたそうです
俺もいつかやりたい

昼食は滋賀県栗東市の
「太郎ラーメン」で食べました
10キロ以上のリュックを持って入ってくるもんだから
いろんな人に話しかけてもらって応援してもらって
ついでにお代金も100円おまけしてもらいました

ご飯食べて元気でたけど
午前は3時間くらい歩いて
午後も歩き始めるとやっぱりきつい

誰か俺を拾ってくれー

とか思いながら歩いていると前方の路肩に
青いきれいなトラックが停まっている
もしかして
と思いながら横を通り過ぎようとすると

プァン
と短いクラクションがなって
こっちを向いてニコニコしているお兄さんが見える

「名古屋まででいいか?」
めっちゃ嬉しいです
助かります

その方は高校中退して九州から大阪に来て
トラックの運転を始めたという
この方は九州さんと呼ばせていただこう
どういう経緯かはわからないけど奥さんは九州さんの会社の社長さんらしい
石油が高くて大変なそうだが燃料を節約して経費を減らしちゃうと
銀行から借りられる額が減って経営が難しくなるらしい
それじゃあ燃料を節約しようという気持ちはおきないよね
温暖化問題への根は深い

九州さんに名古屋まで連れてきていただいて
次のヒッチハイクの場所ややり方をわかりやすく教えていただきました
さらに「頑張ってね」とパンとコーヒーを頂きました

こういうパンとコーヒーって
ただのパンとコーヒーじゃない
めっちゃうまいんだよね
不思議

好意って目には見えないけど
いろんなところに限りない影響を
与えてるなぁってこういう時つくづく思う
だっておいしいもん
九州さんありがとうございました

いざ名古屋に到着
午後4時
暑い
ビール飲みたい
名古屋コーチン食べたい
即決
よし今日は飲もう
寝るところとかヒッチハイクとか今日はもう知らん

そうと決めたら足取りめっちゃ軽い
よさげな店を探して1時間ほど歩くと
発見したよ
看板とかいい感じにおいしそうに筆っぽく書いてる

中に入ってとりあえずビール
旨いとかのレベルじゃないね
昇天しそう
店員さんとか平日5時じゃ客がいなくて暇らしく
声かけてくれていろいろ話したよ
1人なのに串焼きとか炭火焼モモとか頼みまくって
最高に幸せな時間を過ごしてるとき頼んでない手羽先が来て
サービスですって
どんだけだよ
最高の上ってなんだろう
超最高かな
めっちゃおいしく頂きましたよ
ありがとうございます

午後7時半に店を出たけど酔っ払ってるからヒッチハイクもできないし
とりあえず目的もなく名古屋市内をフラフラしてた
11時くらいにちょうど寝床によさそうな小さな公園があったから
その辺歩いている人に
「この公園って夜とか危険じゃないですか」
って聞いて
大丈夫みたいなんでそこにテントを張って寝た
テントを張る理由は二つあって
一つ目は雨防止
二つ目は蚊防止
のはずなのにテントの中に蚊が…
まぁ別に一匹くらいなら気にしないで寝られるから大丈夫だけどね
おやすみなさい

この日の夜
暑すぎて熱中症で死ぬかと思った
テントって入り口一つだから風通しがとっても悪い
夜中うなされて起きるたびに水を大量に飲んで
死んでなくて良かったとか思った

8月5日 4日目

朝うんこしたくて起きたけど公園にトイレがなかったから
急いでテントとか片付けてコンビニのトイレ借りた
「ありがとうコンビニ」
の意味を込めて肉まんを買ったけど
なんであったかいもん買ったんだろうか
この朝6時から陽射しがまぶしいというのに

今日は名古屋駅まで行って「豪快な号外」を配ったよ
号外は地球温暖化について考える新聞

家からあっただけもっていったんだけど
もっと早くから配っておけばよかった
配ったらあたりまえだけど荷物軽くなったし

それから次のヒッチハイクポイントを目指した
トラックステーションって長距離トラックの休憩所みたいなところがある
運転手さんがご飯を食べたりお風呂に入ったり泊まったりできるみたい
そこにいる人に声をかければ誰か連れて行ってくれる人がいるかもしれない
とりあえず昼は洗い箸で有名な「松屋」で食べました
ドレッシングも売ってるんだけど容器と詰め替え用がちゃんとある
エコだね

そのあと
今日はヒッチハイクで乗せてもらえるといいな
と思ってたから一応の礼儀としてからだを流していくことにした
だけど日焼けが痛くて銭湯や温泉には入れないから
マンガ喫茶のシャワーを借りて
2日分の汗を流して
マットで寝て
元気100倍
アンパンマンの新しい顔になった気分

その元気で道行く人にまた号外を配りながら歩いていると
「暑いのにえらいねぇ」
とジュース代にとカンパしてくれる方もいました
買い物にいく人や犬の散歩している人
「新聞の勧誘?」
「何でそんなことやってるの?」
最初は疑っている人ほど熱心に説明すると応援してくれる
ありがたいねぇ

夕飯は横綱屋というところでチャーシュー丼を食べました
ねぎ食べ放題なのでたくさんかけて食べると濃いタレにぴったり
でらうまい

んでトラックステーションを発見して
ダンボール持って始めましたよヒッチハイク
ナンバープレート見たら関西とか中部がやっぱり多いんだけど
あるよ大宮とか春日部とか群馬とか湘南とか

だれか乗せてぇ

立ち始めてすぐ5分くらいで声かけられました
よっしゃと思ったのもつかの間
「無理だと思うよ同乗者の保険なんて入ってる人いないし
見ず知らずなんだから
万が一事故でもおきたら
損害賠償とか責任取らなくちゃだし
それにこんな夜8時に東に行く人なんて
20台に1台いれば良いほうだよ」

ででででーん

でも俺はまだ諦めんぞ
トラック出口付近に立ち続けること2時間
まぁ座ったりもしたけど待てど暮らせどつかまらない
1メートルも前に進まない
こういうの考えるとやっぱり歩いてるほうが楽なんだよね
つかまらなくてもとりあえず前に進めるから
でもここでつかまえないと長距離を見つけるのは難しいらしい
それはみんな高速に乗ってしまうから下は走らないからだそうだ
仮に下を走っていてもスピードにのっているので
ヒッチハイカーに気付いても結局止まれない

でも立っているといろいろ話をしてくれる人が多い
「どっから来たの」
「すまんねぇ方向逆だわ」
「これでジュース買いな」
トラックの運転手の方みんなとっても親切だ
その中の1人が
「疲れただろうからトラステ(トラックステーション)の中で待ってなよ
 俺が受け付けのおばちゃんに話してきてやる」
と僕を中に連れて行ってくれた
「この子東京に帰りたいんだって
 そっちのほうに行く人いたら
 教えてやって
 そんでずっと外に立ってたからちょっと休ませてやってよ」
と中の休憩室で休ませてもらいました
クーラーって涼しいね
別世界に来た感じ
ちょっと休ませてもらって出てくるとおばちゃんが僕を連れて食堂に行き
「この子東京行きたいらしいんだけど
 誰かそっち行かれる人いない」
と聞いてくれた
食堂には20人くらいいたかな
その時恥ずかしかった
おばちゃんの気持ち嬉しかったけど
なんか嫌だった
そん時はなぜだか
どうせいないと思った
そして案の定いなかった

前向きに今までやってきたけど
この時はちょっとへこんでた
きっとあの中に2・3人は関東に行く人がいるはず
でもその人もきっとなんか理由があって乗せてもらえない
今日は無理かもしれない
で明日もあさっても無理で
電車で帰ることになるかもしれない

そんなん絶対嫌じゃあ
誰でもできるもんじゃなくて
俺は俺なりのやり方で帰らせていただくんだ
俺はヒッチハイクで帰ると決めたんだ

それからまたトラステに
入る人出る人に声をかけた
そこに30くらいのお兄さんがおばちゃんに
「ガムテープ売ってる?」
とか聞いている
おばちゃんはないと言ってるが実は俺は持ってる

「ぼくガムテープ持ってますよ」
「ちょっとだけでいいから売ってくれぃ」
「そんなんお金とかいいですよ」
みたいな感じで荷物ごそごそやってたら
おばちゃんがいいタイミングでバスの運転手さんに
「お兄ちゃんどこいくんだい」
と聞くと
「厚木」
だってさ
ATSUGIって神奈川じゃないっすかー
俺はダンボール見せながら
「僕そっちのほうに行きたいんですけど…」
「東京って書いてるけど厚木でよいの?」
もちろんっす
そんな経緯で乗せてもらうことができました
おばちゃんどうもありがとう

移動距離300キロ
もと走り屋だったそうなので
走り屋さんとさせていただきましょう
あとで聞いたら
走り屋さんホントはガムテープなんかいらなかったみたい
おばさんにガムテープの話を切り口にして
俺のことを聞こうと思っていたみたい
やっぱり仕事場であるトラックに
知らない人を乗せるというのは
慎重にならざるを得ないのだろう
問題なさそうだから乗せてくれたらしい

走り屋さんは昔から乗り物が好きで18歳からバイクを買って
愛知を今で言う暴走族みたいに走り回っていたそうです
235キロまで出したことがあるとかないとか
ぶっ飛んでますね

でも今の大型トラックはリミッターというのがついていて
95キロ以上はアクセル踏んでもスカスカなんだって
違法で改造してるのもあるけど
走り屋さんはそういうことはしないそうだ

今は愛する家族が第一の走り屋さんは
安全運転
法律遵守
事故に巻き込まれたことはあるけど
事故を自分から起こしたことは一度もないという
いろいろお話を聞かせてもらった
トラック業界の暗黙のルールとか
走り屋さんの子どもの話とかいろいろ

「疲れてたら寝てもいいぞ」
と言ってくださったんだけど運転してもらってるのに
寝るわけにはいかないので
「大丈夫です」
って言った
だけど気付いたら寝てました
すいません

「兄ちゃん、もうすぐ着くぞ」
厚木じゃなく鮎沢のパーキングで降ろしてもらうことになっていた
ここなら東京行きがたくさん停まっているし
もし失敗しても長距離バス用の出口があるから
一般道にも降りられるそうだ
俺はそんなことなんも知らなかったから
ただひたすらお礼を言ってトラックを降りた
別れ際に走り屋さんはチヨビタをくれた
愛情一本チヨビタ
ありがとうございました

8月6日 5日目
走り屋さんに降ろしてもらったときは
すでに12時を回っていた
眠い目をこすってまたダンボールを掲げる
東に行くトラックは東京の朝の通勤ラッシュに巻き込まれないように
夜中に出発するのだそうだ
トラックの運転手って本当に大変だね

でも人あんまりいないしポツンとパーキングの入り口で座っていて
入ってくる人たちに
「東京へ…」
みたいに話しかける感じ

だけどもう眠くてしゃーないから
食堂の椅子で軽く寝て
またヒッチハイク再開
これがたぶん最後のヒッチハイクになるんだよなぁ
とかしみじみ考えながら
トイレで出てくる人を待ち伏せしたり
↑あやしいよね
自販機の前で待ち伏せしたりしてた
↑あやしい
1時間くらいたっただろうか
食堂ぶらぶらして
肉まん旨そうだな
なんて思いながら眺めていたら
つなぎを着て首のタオルがめっちゃ似合う
いかにもトラックの運転手さんという感じのおじちゃんが声をかけてくれた
「兄ちゃん東京いくんなら乗せてってやるわ
俺はこれから群馬のほうに抜ける
まだ出発しないからこれでなんか飲んで待ってて」
とお金を渡してくれた

俺はめっちゃお礼言って
そして聞いた
「肉まんでもいいですか」
おじちゃんは
「腹へってるんかぁ」
と笑いながら快く許してくれた

何度もヒッチハイカーを乗せているらしい
ここではベテランさんと呼ばせてもらおう
ベテランさんは長距離で何十年も食べてて
沖縄以外全ての46都道府県に配達してるという
今日も九州から出てきたんだって
ベテランさんは笑顔が素敵なめっちゃ面倒見の良い方で
後で聞いたんだけど俺が肉まんをほおばってる間にも
新人さんの話しを聞いて相談にのっていたらしい

乗せてもらってからも
いろいろな話を聞かせてもらった
95キロしか出ないリミッターの話
ベテランさんはちょっとリミッターを細工しているから
110キロくらいは出せるらしい
でもこれをしないと寝ずに走っても
指定の時間に間に合わないということがあるというから
問題は深刻だ

あと新人社員がかわいそうだという話
今は誰でも会社入ったらすぐに一人前の仕事を任せられる
こんなんじゃ新人は大変だ
カーナビがあってもあれは今のところ完全じゃない
あれだけで仕事ができると思ったら大間違いだ
ゆっくり育てなきゃだめだ

それから
無差別殺人の話
「誰でも良かったなんて許せないだろ」
とトラックの中で声を荒げて話してた

なんか全ての言葉に心が入っていて
講演を聴いているようなそんな感じだった
俺はただそのいろいろな話にうなずくばかりだった

そんなこんな話してたらあっという間に
環八に出て成増の近くに降ろしてくれた
ありがとうございました

朝の4時ごろに駅について始発を待っていたら
駅のホームで始発を寝過ごして次の電車に乗った

終わり

恩返ししたいね
お世話になった人全員にもう一度会えるかどうかは
わからないけど

直接でなくてもできることはいくらでもあると思う
今僕の目の前の人に親切にすることでいつか僕に親切にしてくれた人にも
めぐりめぐって親切が届く
親切は連鎖する

いつもは
こういう日記は自分のノートだけに書いていた
人に見せることはなかった
だけど今回こうやって書いてみようと思ったのは
世の中にはこぉんなに素晴らしい大人が
たぁくさんいるんだよってことを
みんなに伝えたかったんだよね
そしてたくさんのありがとうを
伝えたかったんだ

お世話してくださった人ありがとう
心配してくれた人ありがとう
応援してくれた人ありがとう
アドバイスしてくれた人ありがとう
声をかけてくれた人ありがとう
道路を作ってくれた人ありがとう
水や食べ物ありがとう

……
読んでくれた人ありがとう