2014年6月17日火曜日

伊賀市の住民投票条例可決したけど50%条項に物申す!



 
市役所の位置を問う住民投票条例の制定について、岡本栄市長が16日、伊賀市議会6月定例会に議案を追加上程した。即日採決の結果、賛成が15人、反対が5人で可決し、市は一般会計補正予算案に住民投票に必要な経費3479万4000円を追加した。投票は8月下旬ごろの実施になる見込み。

写真 記事 伊賀タウン情報YOU より
http://www.iga-younet.co.jp/news1/2014/06/post-748.html

 
 住民投票は、市庁舎を市中心部の現在地で整備するか、南に2・5キロ離れた県伊賀庁舎隣接地に移転するかを問う。市長、議会は開票結果を庁舎整備の参考にする。投票率が50%を下回った場合は開票しない。
 市庁舎の建て直しをめぐっては、移転を掲げる岡本栄市長に対し、地元・上野商工会議所の木津龍平会頭らが住民投票条例制定の直接請求を目指し、4月に7000人を超える署名を集めた。署名は書類不備により無効となったが、岡本市長は木津会頭らの求めを受け、条例案を提案していた。

記事 中日新聞より

まずは「住民投票をやる」という選択をした岡本市長や伊賀市議会を評価したい。
しかし、市民が直接請求しようとして7000人超から集めた条例案にはなかった「50%条項」が追加されている。この「50%条項」とは「投票率が50%に達しない場合は無効、開票もしない」ということである。しかも市長は移転推進派であり、
「50%に満たなければ移転が認められた形」と解釈する
というのだ。(朝日新聞 2014.6.7)

これには大きな問題が3つある。

一つ目は「ボイコット運動が広まる」
住民投票は双方の陣営の情報開示と、徹底的な議論、それを基にした市民の責任を伴った決定が期待される、しかし最低投票率を設けることによって、負けを恐れた陣営がボイコット運動を仕掛け、情報を開示せず、議論にも参加せず、投票にもいかないことで実質不戦勝を目指すことが考えられる。これでは「住民投票」の目的である市民が「知る、話す、決める」のどれもが阻害されることになってしまうことは自明な問題なのだ。

二つ目は「投票に行かない人を利用しようとしている」
声を上げない人(投票に行かない人)にも賛成反対、興味ない等…実に様々な理由があるだろう。それらの人の気持ちを十把一絡げにして、「市庁舎移転を認めている」と推進派の都合のいいように決めつけるというのは問題である。

三つ目は「せっかくのチャンスなのにもったいない」
市としては3500万円という予算をかけて、住民に市の将来についての情報を発信し、議論を促進させ、意見を直接聞けるチャンスなのだ。そして責任を持って投票し、その方向に地元が変わっていく過程で愛郷心が生まれてきたりするものなのだ。それなのに投票結果を無効にするなんて、もったいないし、さらには開票をしないで市民の気持ちのこもった投票用紙をそのままお蔵入りにするなんてもう「もったいないオバケもびっくり」である。

岡本栄市長は「市も議会も現在地派の市民も投票の投票率を上げる努力をしないといけない」と言っているが、それこそ市長は市長生命をかけて成立要件である投票率50%を超すための対策を考えて実行していただきたい。そうしなければ市長にとってこの住民投票は「市民の声を反映させるためのものではなく、市民を黙らせて(ボイコットさせて)結局、市長のご希望通り市庁舎を移転させるため」だったと疑われても仕方がないと思う。