2014年8月15日金曜日

スコットランド独立国民投票白書(抄訳)

日本スコットランド協会 稲永様より提供していただきました。ありがとうございます。

スコットランド独立国民投票白書(抄訳) 作成:スコットランド政府 発行:2013.11.26


独立趣旨:

スコットランドに関わる事項は、実際に同国に生活し働く人びと、即ちスコットランドに最大の利害関係を持つ人が決定すべきである。現体制下では、下院議員650人の内、スコットランド選出の議員は僅か9%に過ぎない(上院は、勅選議員のみで構成)。従って、ウエストミンスター中央政府は、スコットランド利益をほとんど代表していないと言える。このようなスコットランドに伝統的に課せられた"Democtatic deficit"(民主主義に基づく不利な条件)を是正し、独立後は、スコットランド選挙民(国民)を代表する同国議会が重要決議を行う。

独立後、スコットランドの財政・経済は果して自立可能か:

答え:イエス

1.現在スコットランドの一人当たりの国民所得は、OECD加盟国(世界の富裕国)34カ国中で8位であり(UK全体では28位)、世界でも指折りの富裕国といえる。これは北海石油収入を斟酌しない場合であって、もし、石油収入が独立後すべてスコットランドのものになれば(現在北海石油・ガス田の90%はスコットランド大陸棚に帰属する)、この数値は更に20%増が見込まれる。
2.過去5年間のスコットランド財政収支は、UK全体よりも一人当たり£2400も健全であり、直近の(2011−12)野数字を見ても、スコットランド財政収支租税収入は一人当たり£10700、一方UK全体では£9000、また歳出のGDP比もスコットランドの方が小さい。
3.現在スコットランドで徴収される租税総額のうち、同国に還元されるのは僅か7%。今後課税権の追加などで還元率が増えても、せいぜい倍増の15%留まり。だが、独立後は租税収入の100%がスコットランドの自由裁量に任される。
4.核廃絶を国是とするスコットランドとして、独立後は核兵器廃止、トライデント撤去を再優先的に推進。現在クライド(グラスゴウ)にある英国唯一の海軍基地に配備された4隻の原子力潜水艦(トライデント)の近代化には将来£1000億の資金投下が見込まれているが、この莫大な資金をスコットランドの国益に沿った財源として使用することが可能。
5.少なくとも現在のロンドンならびに東南部に有利な経済政策が是正されれば、地場産業(世界的レベルの5総合大学、食品飲料産業、観光産業、先進的ライフサイエンス産業など)の活性化・一層の発展が期待できる。また1975年以降のOECD加盟国の内最悪、ないし悪化を辿る労働者の所得格差(ロンドン地域の所得大のため)は大幅に解消する見込み。
注)1999ねんのスコットランド国民議会の再生以降、中央政府からの大幅な権限委譲に沿って、自国の保険、教育、司法、住宅、農漁業、運輸などの分野で確かな実績を積み重ねてきた自信と誇りが、今回の独立投票の背後にうかがえる。それに、スコットランドは本質的に固有の文化と遺産を継承してきたとの認識が動きを後押ししている。

独立後の優先社会・経済施策

(上記 democtaric deficits の是正):

1.税率、社会保障料金の見直し:
例: Bedroom tax (公営住宅に住む非富裕層が受ける家賃補助制度)即刻廃止

2.NHS(医療保険制度)は公営とすること
3.郵便制度(ロイヤルメール)は公営化に復帰
4.チャイルド・ケア制度の拡充:
※1才から就学年齢まで、年38週30時間のケア保障する
※現在、UKのチャイルドケア費はヨーロッパで最大で、スコットランドの場合家計支出の27%もの高額支出を強いられている。OECDのか軽視鵜出に閉める平均チャイルドコストは12%。
※これを是正する独自の制度を設け、1歳から就学年齢に達するまで、週30時間を年38週にわたりチャイルドケアを保証する。これによって両親、とりわけ母親の就労の機会を増大、雇用機会を新規に35000件創出する。
5.無償授業の拡大、高等教育への門戸拡大、Fresh Talent Initiative(海外の優秀な頭脳の取り込みないし引き止め策)
6.法人税を最大3%まで提言して、企業競争力を増大
7.ミニマム賃金のインフレヘッジ実施
8.中央政府が計開くしている年金受給年齢の65歳から67歳への引き上げに反対(スコットランドの平均寿命が全国平均より2・3年低い為、年金受給総額が全国より少ない)

スコットランド・データ:

※総人口:530万人、内15歳未満が16%(=85万人)全体の83%がスコッツ・アイデンティティー保有。
主要産業: 年間精算額(億ポンド)
建設業     170
食品・ドリンク 130 (ウイスキー輸出のみで43億£)
観光        90
創造的産業     28
※生産力
農業       UK全体の11.6%
風力・潮力発電力 EUの25%
波力発電書    EUの10%
UK海底油田推定埋蔵量の98.8%
歴史資産価値   23億£

対外関係:

王制:女王推戴を維持、即ち立憲君主制(独自の憲法制定)
UN:安全保障理事国の資格保持
EU:正式メンバー国となる(現在UKとして保有する権利義務を保持)
NATO:正式メンバーとなる(正規兵15000人、予備役5000人設置)
在外公館:70-90カ所に設置。予算は90-120億£とするが、これは現在UK全体の経費に占めるスコットランド負担分より少なくなる。

投票後の日程:
投票日:2014/9/18
独立予定日:2016/3/24
第一回独立議会選挙:2016/5
独立議会開催:2016/6

Top Q and A:

 1)なぜスコットランドは独立しなければならないのか。
 2)スコットランドは独立してやっていけるのか。
 3)私の年金はどうなるのか。
 4)独立したら私の払う税金は変わるのか。
 5)独立国スコットランドの政府は誰が作るのか。
 6)スコットランドはEUに加盟するのか。
 7)我々の将来の安全保障はどうなるのか。
 8)ポンドは今後とも維持できるのか、それともユーロに加盟するのか。
 9)もしポンドを維持するなら、スコットランドの独立はどうなるのか。
10)独立するのに費用が掛かるのか。
11)どうして独立したらもっと公平な国になるというのか。
12)独立したら何が良くなるのか。
13)英国の他の3カ国との関係はどうなるのか。
14)スポットランドのパスポートはどうなるのか。
15)どのように独立するのか。
16)女王は維持するのか。
17)国の債務はどのように分担するのか。
18)私が現在享受している税金面での利益はどうなるのか。
19)英国で働く役人の仕事はどうなるか。
20)石油・ガスはスコットランドのものになるのか。
21)独立には石油・ガスに依存しなければならないのか。

スコットランドに行くためにクラウドファンディングに取り組んでいます。
どんな仕組みなのかこちらをご覧ください。
https://readyfor.jp/projects/Scotland-Referendum