2015年2月24日火曜日

与那国7日目レポートと報道まとめ

2月23日八重山毎日一面

投票所を回り、引き続き話を聞いた。

15歳女子中学生
「投票するのに、緊張した。自分で考えて決めた。友達ともちょっと話をしたりした。島に帰ってくるかどうかはまだ、考え中。高校に行くために、島を出るのは楽しみ。」

中学生に投票権は早すぎるという指摘があるがどう思うか。

「確かに中学生には早いと思うけど、自分なりに投票することができた。」

一度高校に行くのに、島を離れるそうですが、どんな与那国が残ってて欲しいですか?
「平和が一番。」
一緒に来ていた友達は
「自然がいっぱい残っていてほしい」と答えた。


投票後、男性の話。
「全員ではないが、この島の人たちは議論が好きじゃない。好きじゃない。というか、できないのかもしれない。意見を持っていない、持ちたくない。考えたくない。相手の気持ちを理解しようともしない。」


外国人参政権について与那国町議会で議論されたり、疑問視しているメディアが多いのだが、当の与那国町民は、このことについては永住外国人は「5人しかいない」からか関心があまり高くない。

ただ、この問題は人数が少ないがとても重要な問題である。
当の与那国に住む永住外国人に話を聞いた。

「そもそも自衛隊の基地を建てるか建てないかという問題は、島で毎日過ごす生活に関わります。もちろん私は外国人として自覚していますが、私は日本人と結婚して、日本人の子どもを持つ母親ですし、16歳から日本に来ていて、日本にいる期間の方が母国より長くなりました。この問題は賛成であろうが、反対であろうがとても大事な問題です。私はこの島が大好きです。特に、子育てにはとてもいい。どの家でも愛情を持って遊ばせてくれて、のびのびと育てられる島。台風が来て、物資が少なくなっても、物々交換などで、支えあって生きています。みんな顔見知りでほっとけない性格、先週に「迷い人」の放送があったのですが、その時は賛成反対関係なく、みんなで探した。島はそういう素晴らしいところがある。自然なままでいい、不便なままでいい。協力すればなんでもできるはず。」




夕方にはBS11のニュースで投票所の写真の提供と電話で現地の様子をレポートさせていただいた。
<ウィークリーニュースONZE>放送時間:毎週日曜日 午後6時00分~6時55分 #bs11 http://www.bs11.jp/news/2143/

投票は19時に締め切られ、最終投票者数及び、投票率が発表された。


有権者数1284人
投票者数1094人

投票率は85.74%

前回2004年に行われた住民投票の投票率70.46%より高かったが、2014年に行われた町議会選挙 97.14%、2013年の町長選挙 95.48%よりは低くなっている。

20時から開票作業が始まった。


50票ずつ集計されるごとに速報版に丸が記入されていく。


そして結果が発表される。


一時は反対派がリードしていたが、結果は以下のとおり。

賛成 632票   (57.8%)
反対 445票   (40.7%)
無効    17票     (1.5%)
合計 1094票 (100%)


187票差で賛成派が反対派を上回った。前回の町長選でも自衛隊誘致についてが大きな争点になったが、その時は自衛隊誘致賛成派の外間町長が47票差で勝利した。その時よりも差が大きくなっている。

投票後、両派の集まりがあった。
反対派の集会で
「賛成派の人たちはこれで、反対派も諦めるだろう。と思っているかもしれないけれど、私たちは絶対に諦めない。次はレーダーの危険性を訴えて差し止め訴訟をしようと考えている。住民投票には負けたが、レーダーが危険であるという事実は変わらない。」と答えた。

一方、賛成派は
「今回の住民投票はやってよかった。反対派の挑戦に受けて立ち、住民の思いが確認できた。我々としては、思う通り議論が深まったと思うし、これから与那国は町民の思いを受けて、自衛隊誘致に向かっていくつもりだ」という。




今回は中学生や、永住外国人の投票権を認めたということで、内地のニュースで「異例」の住民投票として、取り上げられることがあるが、与那国では2004年に「合併の是非を問う」住民投票が行われた時も中学生や、永住外国人に投票権を与えていた。永住外国人の住民投票の参加資格は、昨年生駒市でも成立されている住民投票条例などで認められている自治体も少なくない。同じ地域で、同じように生活する住民に大きな影響を与える自衛隊基地建設についての是非に、国籍など関係ないことは明らかである。


この結果をどう受け止めたらいいのだろうか。政治家を選ぶ間接選挙よりも直接選挙で選ばれたこの結果の方が重い意味を持つ。住民が選んだ自衛隊基地建設を進める方向に進むのは当然だろう。

しかし、賛成反対派による個々のアピールは行われていたが、公開討論会などの両派に開かれた場所で討論をする機会がなければ、声の大きな陣営や資金力のある勢力に町民が流されてしまうこともある。ましてや「票の買収」が今回の住民投票のみならず、普段の選挙でも恒常的に行われているという話を聞くことも少なくない。これらの問題がなかったのか、検証を早急に行っていく必要があるだろう。

住民投票の本質は主権者である住民が決定権を持つことによって、知り、考え、議論をして決める、そしてその結果に責任を持つ」というプロセスにある。このプロセスがきちんと行われたのか。今回の住民投票で「自衛隊誘致」の優勢が明らかなった。しかし、そのプロセスに問題がなかっただろうか。

もし、議員や役人のいいなりになったり、お金の力によって、住民の意見がねじ曲げられているような、住民投票の本質が守られていなかったとすれば、この住民投票の結果も根拠のないものになってしまう。今回の住民投票で両派による意見交換が行われたのかも重要だ、そして特に「買収」によって住民の意見がねじ曲げられていないかきちんと検証しなければならない。勝負はついても、そこにルール違反があれば、勝敗は無効になのは当然だ。そのルール違反を指摘する町民も賛成反対の両派からいて、少なくない。ルールに則ってやっていることは「勝敗」よりも大事であることも言うまでもない。ルール違反がなかったのか賛成反対の両派から検証する必要がある。

ただ、今回は主権者である住民が「自衛隊基地建設の是非」というただ一点について問われ、問題も指摘されたが、「誘致したい」という人が多かった。これは現時点で紛れもない事実で、この結果の責任を負うのはやはり住民ということになる。基地建設は進むだろう。ただ、これから先、もしも住民の多くが意見を変えて基地建設反対に転ぶことがあるかもしれない、その時にもまた主権者である住民の声に従うべきである。


高校卒業時に与那国島が夢の島だったことは前にも書いたが、それはただ西の果てであるという理由だけであった。そして、今回は「住民投票がある」いう理由だけでこの島に来た。9日間の短い滞在だったが「今回の住民投票がどう活かされていくのか取材を続けたい」というのを言い訳にして、この島にまた来たいと思う理由がたくさんできた。この辺はまた後日ゆっくり書きたいと思う。




テレビ東京 映像付き
揺れた国境の島 「住民投票」が残したもの
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/newsanswer/newsl/post_84882/

琉球新報
<社説>与那国住民投票 複雑な民意を踏まえよ
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-239305-storytopic-11.html

沖縄タイムス「離島苦」賛成後押し 与那国住民投票
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=104275


朝日新聞
投票した中学生「将来考えた」 与那国島で住民投票
http://t.asahi.com/hbsr

朝日新聞
自衛隊配備「賛成」多数 沖縄・与那国の住民投票
http://t.asahi.com/hbqw

NHKニュース
与那国島 自衛隊配備に賛成が多数
http://nhk.jp/N4Hw6ZFE

読売新聞
与那国住民投票 国防を地方政争の具にするな : 社説
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20150223-OYT1T50139.html?from=tw

夕刊フジ
与那国「陸自配備」住民投票で賛成多数 反対派工作に反発か
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150223/dms1502231531005-n1.htm

ハフィントンポスト
与那国島の住民投票「自衛隊配備に賛成」が過半数
http://huff.to/1zYfjrc

TBS News
「与那国住民投票、“島二分”残る対立」 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2428525.html

Independent Web Journal
2015/02/22 【2・22与那国で自衛隊配備の住民投票開始】「賛成する人は、戦争を知らない」 〜戦争体験者、牧野トヨ子さん(92)にインタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/234919

IRORIO
陸上自衛隊配備の与那国町住民投票、有権者数の増減を調べてみる http://irorio.jp/agatasei/20150223/207705/