2015年11月30日月曜日

にくしょくシマウマ



はるのあるひ、シマウマのむれのなかに3びきのあかちゃんがうまれました。

なまえは、シュシュ、ミドミド、アンアン。

おかあさんのおっぱいをのんで、どんどんおおきくなっていきました。

しかしシュシュには、ひとつだけ、ほかのあかちゃんとちがうところがありました。

みんなはだんだんと、くさをたべるようになってきたのに、シュシュだけはおかあさんのおっぱいのままでした。くさをたべてもきもちわるくなって、はきだしてしまうのです。

ともだちのミドミドとアンアンは、シュシュをからかいました。

「おまえ、まだおかあさんからおっぱいもらってるのかよ」

シュシュはなにもいいかえすことはできませんでした。

「ぼくだってほんとうはくさをたべたいんだ。」

シュシュはかくれてなきました。

おなかがへってがまんできなくなると、おかあさんにおっぱいをすこしもらいました。

しかし、シュシュはみるみるうちにやせていってしまいました。




なつのあるひ、シュシュはバッタをたべるカエルをみて、おかあさんにたずねました。

「おかあさん。カエルはバッタをたべるの?」

「そうよ、カエルってかわったものをたべるのね」

シュシュはおかあさんにないしょで、バッタをペロリとたべてみました。

「つちとくさのまざったあじがする」

おいしくなかったけれど、もうおっぱいをのんで、ミドミドとアンアンにからかわれるのはいやでした。

そしてバッタはくさとちがって、はきだすことはありませんでした。

それからシュシュは、ときどきバッタをたべるようになりました。

おっぱいをのまなくなって、しんぱいしていたシュシュのお母さんはいいました。

「いろんな友だちから、シュシュがバッタをたべているのをよくみるってきいてるの。もしびょうきになったらどうするの。おなかがすいたらおっぱいもらいにくるのよ。」

「はーい…」

へんじだけしました。

シュシュはおなかがへって、そのよるもバッタを1ぴき、たべてしまいました。




あきのあるひ、シュシュはネズミをたべるフクロウをみて、おかあさんにたずねました。

「おかあさん。ふくろうはネズミをたべるの?」

「そうよ、ネズミをたべるなんてまったくきもちわるいわね。おなかこわしたりするかもしれないからたべたりしちゃダメよ。」

「はーい…」またへんじだけしました。

シュシュはネズミをペロリ。

「たべてみないとわからないじゃないか」

やっぱりくさとちがってはきだすことはなく、おなかをこわしたりすることもありませんでした。

バッタをみつけてはたべ、ネズミをみつけてはたべました。

そのうち、シュシュのやせほそっていたからだは、おおきくたくましくなっていきました。

ウサギをペロリ、アヒルをペロリ、ヒツジをペロリ。

シュシュはたべたぶんだけせいちょうして、おとなのしまうまより、1まわりも2まわりもおおきくなっていました。




ふゆのあるひ、アンアンのなきごえで、むれにきんちょうがはしりました。

りっぱなたてがみのライオンが、なんとうも、むれのまわりをかこんでいるのです。そして、きばをむいて、よだれをたらしながら、じりじりとちかづいてきます。そして、つぎのしゅんかん、ミドミドにむかって1ぴきのライオンがとびかかってきました。

「あぶない!」

からだのおおきなシュシュはとっさにミドミドのまえにたちはだかって、むかってきたライオンをペロリとたべてしまいました。

そしておそいかかってくるライオンたちをつぎつぎにペロリとたべていったのです。

たちまちシュシュのおなかはふくれあがり、うごけないほどになってしまいました。




そしてまたはるのあるひ。シュシュは、ふとおもいついたようにいいました。

「もっと、さっぱりしたものがたべたいな」

ちへいせんまでひろがる、あおあおとしたそうげんで、シュシュはくさをたべはじめました。

ミドミドとアンアンもシュシュといっしょにくさをたべました。