2016年6月27日月曜日

イギリスは強烈な風が右から吹いた、スコットランドは左からだった。



2014年9月に行われた
スコットランド「独立」の是非を問う住民投票。
投票日1年前までは30%ほどだった独立支持率が、
投票直前には残留支持を上回るほどの勢いを見せ、
あわや独立かと思われたが、
蓋を開けてみると45%の支持にとどまり、独立には至らなかった。

当時のスコットランドには左から大きな風が吹いた。
住民投票を進めたのは「Scottish National Party(スコットランド国民党)」という、
教育の公的補助、最低賃金の引き上げなど社会民主主義的な政党である。
独立したら...
新自由主義的な保守党の政治から解放される。
もっと格差を埋める政策を進められる。
核兵器ではなく、医療や教育にお金をかけられる。
EU移民を歓迎できる。

これらの政策が今まで投票に行ったことのない貧困層なども取り込み、
支持者を得ていった。

最終的に問われたのが「カネか主権か?」

・ポンドが今までのように使えるかわからない。
・EUに留まれるかわからない。

しかし、
イングランド(Westminster)に主権が奪われたままでいいのか。
"Scotland's future in Scotland's hands"
「スコットランドの未来はスコットランドが決めること」
というキャンペーン。

これで、独立までもう一歩というところまで支持を拡大した。
今、またイギリスのEU離脱が決まり、スコットランドは再度「住民投票」の準備をしている。





イギリスの場合は国民投票で「EU離脱」は4割ほどの支持を受けていたが、

キャンペーンを進めていたのは、
保守党の離脱派、イギリス独立党(United Kingdom Independent Party)
これらの政党は離脱すれば、
移民を制限できる。
EUの規制を外せる。(もっと新自由主義的な競争を進められる。)
他の国と共に発展するのではなく、イギリスを復興することができる。(Nationalism)
としていた。

しかし、EUに残留しなければ「経済」が落ち込むことは、
誰の目に見ても明らかであった。

ここで、離脱派のボリスジョンソンが争点にしたのは、
スコットランド国民党が独立の気運を高めたのと同じ。
「カネか主権か?」
という選択であった。
「Take back control」(主権を取り戻せ)

イギリスの主権をブリュッセルの官僚たちに握られたままでいいのか。
(イギリスの国内法より、EU法の方が上位法にあたる)
選挙によって選ばれるわけでもない、
官僚たちは俺(ボリス)よりいい給料をもらっているぞ。

事実、ボリスはこの言葉で最後の討論会を終え、
争点の一つにこの「主権」を持ってきた。
最後の一押しを決めたのもここだったように思われる。

スコットランドの場合は「独立」に投票した、
貧困層、低学歴層は「独立」によって不満はいくらか
改善しただろう。


しかし、イギリスの場合、
右から吹いてきたこの風に高齢者、貧困層や、低学歴層が飛び込んだわけだが、
果たして離脱に投票した彼らの抱えている不安が、
これから迎えるであろうボリス率いる保守党の政治によって、
「EU離脱」によって、解消されるかは疑問が残るところである。
さらに貧しくなっていく可能性も否定できず、不満が解消されず、
もっと極端なナショナリズム、排他主義、
経済格差が進んでしまわないかと心配している。