2016年7月27日水曜日

またも知らない人に泊めさせてもらうことに。シェフィールドにて。




前日は酔っ払いのおじさんに泊めさせてもらい、
ドミノっていうイギリスのゲームをしたり、
的の近くにボールを投げるフランスの遊びをしたりして、
楽しんだ。お礼をいっておじさんの家を後にする。

少し寝不足のまま、
サービスエリアまでまたPokemon Goと歩いていく。

一般道でヒッチハイクするのは、一手間が必要だが、
サービスエリアでヒッチハイクするのはそんなに難しくない。



シェフィールドは、
年に一度の音楽フェスの真っ最中。

最初に爆音のクラブミュージックをかけながら
まばゆい光を発して高速で回るアトラクションを見た。
これはメリーゴーランドのようだが、
間違っても子ども向けではない。
何だったんだあれは。

街中心部へ歩いていくと、
店、路地裏、道路、広場、
街のいたる所で、大音量の様々なタイプの音楽が鳴り響く。

街ぐるみのフェス、
街の中心地を占拠する
圧倒的な規模のフェスティバル。

誰かと来ていれば、
このバックパックさえなければ、
一緒に輪に入っていったかもしれないけれど。

今日はそういう気分でもない。

早々と郊外へと抜ける。
音楽がだんだんと遠のいていく。

少し離れれば閑静な住宅地にはいっていく。
その中で見つけた公園。

そこはポケストップ(Pokemon Goをやっている人が集まる場所)にもなっていて、
若者がスマホを片手に数人たむろしていた。

彼らは広場に入ってきたぼくを見るなり、
「ポケモンやってる?」と聞いてきた。
ぼくらはお互いのポケモンを見せ合って、
彼らはぼくの弱いポケモンを見て、
「まだまだだな」という顔をした。

それからひとしきり、
彼らのポケモンの自慢話を聞いた。

ぼくもいろいろ彼らのことを聞いた。
そのうち1人は仕事終わりに、
わざわざ車でこの公園にきて、
ポケモンをプレイしている。
もちろん友達と会うためというのもあるだろうけど。

彼らは22時を過ぎて、
パラパラと帰って行った。

ぼくは少し遅い夕ご飯を食べ始める。
そこに今度は別のおじさんが犬を連れてやってきた。
「なにしてるんだい?」


ロンドンの公園で、
遅い時間にご飯を食べていても、
誰も気にも留めない。
でもシェフィールドでは違った。

ぼく「イギリスを旅行しているんです。今日はここに泊まろうと思っています。」
おじさん「ここに?...」

おじさん「うーん...君は悪いことをするような人じゃないよね?
うちはこの近くなんだけど、泊まっていくかい?」

たぶん、ぼくは悪い人じゃない。
彼もたぶん、悪い人じゃない。


おじさんの家は丘の上の方に立つ立派な一軒家だった。
見た目はいかついけど、よく笑うトニーさん、
Tシャツのデザインをしている奥さんのシェリーさん、
「まだ寝たくない!」とこねる元気な息子さん。
そして、ワンコのバスター。

家では、
Tシャツ作りの過程を見せていただき、
プリントも少しやらせてもらった。

奥さんと息子さんがベッドに行くと、

トニーさんはサイダーを注いでくださって、
夜の涼しい庭で2人で話をした。

奥さんは治る見込みのない進行性の病気を抱えていることを話してくれた。

彼女に障害があることはお会いした時に、すぐにわかった。
車椅子に乗っていたし、言葉もすこし聞き取りづらかった。

トニーさんはそれを、明るく話してくれた。
彼が彼女をとても愛していることがすごくよくわかった。
彼女にキスをして、彼女のデザインを褒め、
彼女との結婚式の写真を嬉しそうに見せてくれた。

肌感覚の話。
旅をしていると、障害を持った家族を抱えた人やあまり裕福でない人に助けてもらうことが多い気がする。ヒッチハイクで乗せてくれる人も、家に泊まらせてくれる人もそう。社会的には弱者と言われる立場の人たちが、よその土地から来た、お金のない僕のような弱者にとても優しくしてくれる。

今回のように「実は,,,」という形で話が切り出されたりするのだが。
特に言わない人もいるだろうから、実数はもっと多いはず。


トニーさんは居間にぼくを案内してくれて、
「今日はここを好きに使っていいよ。コンセントはここ。電気のスイッチはここ。
」と教えてくれた。

そして「明日の朝一緒に朝ごはんを食べよう。おやすみ!」と言って部屋を出て行った。

トニーさん家のおかげで、
ロンドンを出発してから、
初めてゆっくり休むことができた。

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次の日の朝
トーストの朝ごはんを用意してくれた。
そしていつもはトニーさんはジムに行くとのことなのだけど、
ぼくが「Tシャツを買わせて欲しい」と言ったら
「じゃあ、自分で作るか?」ということで、作らせていただいた。
「Powellをなめるなよ!」
Powellは彼らの苗字です笑

ちなみに彼女たちのブランドはこちら

この綺麗なシャツを着て、
彼らを思い出しながら
次の街を目指します。