2016年11月12日土曜日

ドイツ発 発禁新聞からの依頼記事

こちらも2013年のなつかしい発禁新聞への依頼記事


緑の党 若者チーム

ドイツ南西部の街ハイデルベルクの花屋さんで、お馴染みの脱原発マークのバッグを持っている女性を見つけた。このマークはドイツの至る所で見られる。ピンバッチをつけて歩いている人、車や自転車に貼られているステッカー、家の窓から横断幕のようにぶら下げられていたり、ドイツの国旗と一緒に反原発の旗を庭ではためかせている家もある。しかし彼女が持っているものをよく見ると日本語で「原子力?おことわり」と書いてあるのだ。ハイデルベルクの街中で日本に向けての意思表示をしていた。彼女は去年の夏にドイツの反原発デモで販売しているのを見つけて、このバッグを購入したという。それから2年もの間、日本にメッセージを送っていたのだ。このような一人ひとりの一般市民の小さな行動が誰かの心を動かし、脱原発を進めていくのだと改めて感じた。ドイツは現在9基の原発が稼働中だが2022年には全ての原発が止まることが決まっている。




ドイツで生活していると、おなじみの脱原発マークをよく見かける、ドイツの国旗と同じ色の金(黄)、赤、黒で書かれた「ATOMKRAFT? NEIN DANKE 」は日本語に訳すと「原子力発電所? おことわり」という意味だ。このマークをピンバッチにしてつけて歩いている人、車や自転車にステッカーとして貼ったりされている。実は最近ではこれ以外の言葉のものも見られる。「ICH WILL'S SCHNELLER!」これは「もっと早くすることを強く望む!」と語られている。ドイツは2022年に現在稼働中の9基の原発が停止されることがすでに決まっているのだが、それでは遅すぎるというのだ。稼働を続けることで、処理しなければならない放射性廃棄物も増えてしまう。情報誌には「実際に日本では、原発事故から約一年で日本における54基全ての原発を止めることができた(現在は再稼働しているが…)」ということも紹介されており、ドイツでもそれが可能だと語られている。また「ausgestrahlt」の調査によると人口の51%が計画より早く原発を止めることを望んでいるという。今年に入ってから、そのための署名も集められている。こういった署名や情報誌などは、有機野菜や環境に配慮した「Bio」と呼ばれる商品を専門に扱っているスーパーなどで見つけられる。店内に情報コーナーのようなものが設置されており、ステッカーだけでなく、脱原発系の雑誌や、再生可能エネルギーの発電所のパンフレットなども置いており、かなり充実した情報を得ることができる。どの雑誌や、パンフレットを見ても、チェルノブイリのこと、そして福島の事故のことが語られていることが多い。



日本には「(エコ)議員つうしんぼ」があるが、ドイツ人にそのようなものはあるかと尋ねてみると少し考えた後で「そもそもエコな議員に投票したければ、緑の党に入れるから、ないと思う」と応えた。そこで、どのように投票する政党(人)を決めているのかを聞くと「インターネットやテレビの影響が大きい。友達とかと話す人は多くない」と日本に似ている。しかし、このような話をしていると、隣に座っていたドイツ人が「あのサイトは時々正しくないことも書いている。このサイトの方がいい。」などと自然に話しをするところは日本とはやはり少し違うのだろう。ドイツの緑の党の今年の選挙に向けたマニフェストが発表された。内容は「100パーセント安全で確実なエネルギー」「脱原発を確実にしかも早く成し遂げる。」など、これからも緑の党がドイツの脱原発を牽引して行くことは間違いないだろう。そしてついに日本でも緑の党が国政に初めて挑戦する。厳しい戦いになることをわかっていながら期待をして鼻息を荒くする僕を見て、別のドイツ人からは「ドイツは緑の党ができて30年以上たっている。息の長い活動なんだから少し深呼吸してごらん。」 となだめられた。



ドイツでも7月21日に行われた日本の参議院選挙が報じられた。Neue Zürger Zeitung (新チューリヒ新聞)では、一面で取り上げられているし、Frankfurter Allgemeine (フランクフルターアルゲマイネ)というドイツで最も有名な新聞の一つでも写真付きで紹介されており関心は高い。またSüddeutsche Zeitung (南ドイツ新聞)では、「国民の多くは、首相を応援しているわけでも、アベノミクスを支持しているわけでもない。しかし、52%という低投票率と選挙システムがこういう結果を生んだ。」と今回の選挙を分析している。僕が驚いたことはどの新聞でも、ネガティブな意味で、首相が国家主義的過ぎるのではないかと書かれていたことだ。翻訳をお願いしたドイツ人は「与党が衆参両院の過半数を取得して、憲法96条の改正して、憲法を変えやすくする、ということが書いてあった。それを読んで、僕らはヒットラー時代を思い出してしまう。首相がどういう人か分からないけど、どのような人でもそのような力を持ったら危ない。」と話す。日本の緑の党が、初めての国政選挙で残念ながら議席を勝ち取れなかったことに関してどう思うか、他のドイツ人に質問してみると「初めて聞く政党の名前に、みんな特にお年寄りは抵抗を感じる。その抵抗がなくなるまで少し時間がかかるかもしれないが、でも事実に基づいて発信を続けていくことが大事。そうして、日本は過去の公害などを乗り越えて来た。ドイツの緑の党も今のようになるまで時間がかかった。」と語る。ドイツでも今年9月22日に4年に1度の連邦議会選挙がある。