2017年2月24日金曜日

南部義典著「超早わかり国民投票法入門」


「超早わかり国民投票法入門」
父がこの本を図書館から借りてきて「健太郎、こんな本が出てるぞ」って教えてくれたですが、当然知っていますよ私は。


さて、南部先生の新しい国民投票法の解説本が出ています。
憲法改正したいという人も、憲法変えたくないという人も、どのようなルールで国民投票が行われるかについてご存知じゃない方には必見です。本書の印象的な部分をピックアップして紹介します。

「ルールの内容があまり知られていなければ、国民投票運動は停滞するばかりか、憲法改正に対して貴重な一票を投じる機会が無駄に費やされてしまうでしょう。読者の皆さんには、決してそうはならないよう、本書を大いに参考にしていただき、憲法改正の是非を積極的に主張する国民投票運動の主役、先導役になっていただきたいと、私は強く願うばかりです。」

「国民投票運動は原則、自由です。まず、国民投票運動の主体には、制限がありません。個人でも友達同士でも政党でも、会社でも誰でも可能です。未成年者も許されます。外国人も禁止されていません。他方、政府、自治体が国民投票運動を行うことは、消極に解されます。国民投票の方法にも、原則、制限がありません。午前8時から午後8時までという、選挙運動のような時間的制限もありません。24時間いつでも可能です。掲示することができるポスターの枚数、種類、さらに街頭などでの配布できるビラの枚数、種類にも制限はありません。戸別訪問もでき、自宅等において、投票を呼びかける看板を設置することも自由です。街頭、屋内で演説会を開催することも、街宣車を使った活動も制限はありません。ダイレクトメールの送付はもちろん、公職選挙法で禁止されている、電子メールを使った勧誘行為も許されます。SNSの類は、なんでも利用できます。」

投票日は発議の日から起算して60日以後180日以内に、国会の議決により定められます。「60日は短い」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちは発議される前から、憲法について学んだり、意見を述べたりすることもできます。国民投票が行われることを前提に、発議されるのを待つのではなく、今から行動を始めれば「60日は短い」と焦ることはありません。

国民投票の運動CMは投票日14日前から禁止されるのですが、その規制のあり方は十分ではありません。まずは、国民投票法が国民投票運動CMのみを規制しているということです。

「条文の裏をつけば、憲法改正庵に対する賛成、反対の勧誘表現を含まない、単純に意見を表明するCM(意見表明CM)は、投票日当日まで許されるということになります。賛成、反対の勧誘表現を含まないものでも、特に著名人が登場する意見表明CMであれば、国民投票運動CMに匹敵する広告効果を挙げられるでしょう。」

そして、投票日15日より前は制限がないので、資金力の多寡が結果を左右してしまう可能性があります。それらの問題については「国民投票のルール改善を考え求める会」の提案をご覧ください→http://ref-info.com/2017-02-13meet-3/

「憲法改正には最低投票率を設けるべき」という議論が護憲派の中で根強いのですが、南部先生はこの本の中で以下のように答えています。

「最低投票率をルールとして設けてはいけない理由があります。最低投票率規定を設けると、「低投票率下では憲法改正が不成立になる」と、投票の棄権に対して、一定の法的意味を与えることになり、積極的な投票棄権運動を誘発する恐れが高くなります。仮に、最低投票率をかろうじて超えた場合には、投票箱の中は賛成投票が偏在するばかりか、本来、投票箱の中に存在していなければならない反対投票が危険の数の中に紛れてしまい、真の民意を計ることができなくなってしまいます。いわば、民主主義の自己否定です。」

また憲法改正の成立要件は憲法事項であり、時の政府や議会が、憲法に明文のない成立要件を加重することは、法理の上でも許されないことです。

他にもどのような手続きで発議に至るのか、
投票の方法など、具体的なイメージの湧くわかりやすい本です。
どうか手にとってみてください。