2017年2月16日木曜日

最もBrexitを望んだボストンに行くまでの話。


ブルガリアナンバーのトラック
 ロンドンでの取材を終えて、ヒッチハイクと野宿でカンタベリー、オックスフォード、エディンバラ、ケンブリッジなどをブリテン島の各地を回ってロンドンに帰る約1ヶ月の取材旅行。強盗など怖い目にあうことは一度もなく、親切な人に泊めてもらったり、ご飯をご馳走してもらったことは両手では数え切れない。そして各地を回る中で、ロンドンとは全く違う声を聞いた。 


下がり続ける運送料 運送会社を経営し自身も運転手としても働くティムさんは、下がり続ける運送料金に困り果てていた。
「イギリスで運送業をやるなら、1マイルで1.4ポンドはもらわなければやってられない。でも例えば、ブルガリアの会社は人件費も安い、トラックも安く買える、保険も安いため、1マイル80ペンスでも請け負う。彼らの流入が続けば、ぼくらのビジネスはこれ以上続かない。しかも、免許取得も簡単で、左側通行に慣れていないドライバーも多く事故も多い、そして事故が起こった時の保険の支払いも手続きが煩雑で問題ばかりだ。EU離脱によって、少しでも状況が改善することを期待している」
と語気を強めた。話を聞いたトラックパーキングにはよく見るとブルガリアのものも停車していた。

街の様子
 中でもボストンは、目的地の一つであった。そこはEU離脱を問う国民投票で離脱に投じた人が75.6%を占め、イギリスで最も多かった町である。イギリス北部のリーズからボストンの近くを通るというミニトラックのお兄さんに乗せてもらって二時間、往来の激しい国道で降ろしてもらった。国道から一本入れば、車の数はまばらになる。市街地まで約10キロ、改めてヒッチハイクをする距離でもないので、地平線まで広がる畑を横目に珍しく晴れたイギリスの田舎道を歩いた。電車の線路沿いにまっすぐな道が続いていて、時折通り過ぎる車はバックパックを背負って歩く私を怪訝そうな顔で見ながら通り抜けて行く。 ポツポツと民家が見え始めると、そこはもうボストン市街であった。

……この続きは現在制作中の『国民投票の総て』でお楽しみください。